日本舞踊 宗家立花流ブログ 日本舞踊 宗家立花流のニュースブログです。
催事・活動に関する最新情報をお知らせいたします。

2017年04月05日

岐阜揖斐郡池田町“龍徳寺”

3月26日(月)
初めての岐阜県での公演、車宝さんの御主人が 、地方創成のお仕事で2年前に転勤で住んでおられました。此の度、東京の本省に帰任と云うことで、懇意になった街の皆さんと、お別れの記念に“寶山和ぁ〜くショップ”が開催されました。池田町は戦国武将竹中半兵衛の生まれたところ、温泉、揖斐茶の茶園を望む天空の茶園、大正時代の旧家の建物“まほろば”沢山の寺社が建ち並ぶ歴史と文化の街です。当日は町長さん、議長さんはじめ、地域の文化活動に関わる方から小さなお子さんまで、お寺の本堂を一杯に埋める程ご来場いただきました。日本中、素晴らしい景色と、暖かい人々がいます。宝物です。龍徳寺本堂.JPG
写真1、龍徳寺本堂

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写真2、天空の茶園

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写真3、 地方創成談義





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2016年06月07日

弘前 レストラン山崎  サエラディナーライブに出演決定!!

○弘前 レストラン山崎  サエラディナーライブ
7月8日(金)弘前のフレンチレストラン“レストラン山崎”でサエラディナーライブがあり、レストラン山崎のシェフと共に宗家がげすと出演します。チョット東京からは遠いのですが、夏の青森、弘前城と共にフレンチをお楽しみ下さい。サエラの歌と、シェフと宗家のトーク&パフォーマンス、何が出るのやらお楽しみ!お問合せはレストラン山崎まで。立花寶山紹介と伝えて下さい。山崎.gif

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2013年08月18日

寶山ニュース ネット版

寶山ニュース

7月20日 宗家立花流「浴衣ざらい」
 今年の「浴衣ざらい」は4月末の国立劇場「立花會」の後のことで、虎ノ門の稽古場で気軽な会を開催。皆さん小唄振りなど短時間の曲が多かったのですが、それでも「和の学校」の皆さんの“立廻り”“さらし舞ビクス”“楽しい日本のおどり”みんな暑さをものともせず張り切っていました。お稽古に通っているポップスデュオ<サエラ>の菊地由利子さんが唄う「セバマダノ」「神の月」「十三の砂山」も宗家の振付で披露、新しい雰囲気に皆さん楽しまれたようでした。終了後、全員柳橋に直行、小松屋の屋形船で美味しい江戸前天ぷらをいただきながら夕涼み、陽が沈みスカイツリーがイルミネーションに着飾って東京の新名所として誇らしげに立っていました。行き交う涼み舟に佃の合方を聴きながら?互いに手を振って今日一日を楽しみました。

8月青森ねぶた祭
 お稽古を始めて4年目になりました。しかし、青森のお稽古は毎月月末、なかなか東北三大祭のねぷた祭に縁が無かったのですが、今年は祭の日程に合わせて五所川原エルム文化センターの講座発表会を開催、そのお蔭で、弘前の扇ねぷたを皮切りに勇壮で巨大な山車に乗せての青森、五間ほどの道路いっぱいに見物客も跳ね人も6階建てほどもある立ちねぷたもひしめいている五所川原とねぷた三昧、さすがにそれぞれ趣のある祭を三日三晩堪能しました。
 同行した当流顧問臼杵さんは昨年宗家が奉納特別公演を開催した山王坊日吉神社に参拝、その杉木立の霊域を見て歌舞伎「良弁杉棟木由来」の世界を感じて齋人の良弁、宗家の良弁の母で舞踊劇をと構想を新たにしています。いつの日か上演をと計画しております。
 七日エルム文化センターの講座発表会4月から受講生になった6歳の坂元ゆうらちゃんも大人に交じってご挨拶から踊りまでしっかりみせて拍手喝采。終了後は三年の間、夏の暑さも地吹雪の厳冬も休まず通った神成さん、三浦さん、浅瀬石さんに努力賞を授与。おめでとう御座いました。皆さんこれからも一緒に頑張って津軽のお稽古場もり立てて下さい。
 9月は“音¨の会主催「歌舞伎よもやま話2」”が津軽稲垣で開催。10月はエルム文化センター主催で“礼儀作法どっとこむ”を開催。東京「和の学校」の風が青森津軽にも吹いています。

平川市演劇集団夢舞台第2回公演「弘南鉄道物語」お稽古開始!
来年1月19日青森県平川市で開催される市民演劇集団夢舞台が昨年第1回を開催し、宗家寶山も舞踊シーンで出演しておりましたが、今回は弘前〜黒石間を走る弘南鉄道の創始者の苦難の物語が劇化され上演する事になりました。此の度も宗家の芝居時代の友人である脚本演出の山崎氏より出演依頼を受け、宗家は創始者の厳格な父親役で出演する事となりました。毎月青森出張稽古の際に時間を取ってその稽古も9月から始まります。厳寒の津軽での公演ですが、雪国ツアーにお運び下さい。2月には五所川原立ちねぷたの館最上階で雪景色をバックに舞踊公演も計画されています。

報知新聞社主催「華扇会」宗家出演
永年にわたり舞踊家が競演してきた舞踊界の一大イベント「華扇会」が61回を迎え宗家が長唄「まかしょ」で出演致します。オペラ、舞踊で永年交誼のある滝善光氏の美術での舞台装置、国立大劇場での舞台は芸術の秋を彩る一番となる事でしょう。他にも充実した演目が勢揃い、皆様お誘い合わせの上お運び下さい。9月18日(水)昼の部、国立劇場大劇場です。

来年の新年「踊り染め」
 平成26年2月11日(建国記念日)横浜能楽堂「踊り初め」のお知らせ。
 此の数年新年の公演やイベントが多く「踊り初め」は2月に開催しています。本年は浅草検番で賑やかに開催されましたが、来年はちょっと趣を変えて場所は横浜能楽堂のお稽古用能舞台である第2舞台で開催する事にしました。松竹梅の鏡板と三間(京間)四方の重厚な檜舞台です。新年を迎えて一同心を引き締め新たな門出とするにふさわしい舞台となる事でしょう。
 実はこの横浜開催にした理由がもう一つあります。内緒ですが、中華街にとっても凄〜く美味しい中華料理屋を発見、中華街の中華料理とは一線を画した超特別な中華料理なのです。そこに皆さんをお連れしたいという訳です。伝説の料理人の親方とも言えるそのコックさんの小さな店です。心のこもった美味しいものをいただくと芸力も上がります。お楽しみに!

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2012年01月27日

宗家出演の公演案内

人情おどり座アトリエ公演
「春のおどり in両国」
人情おどり座のアトリエ公演が下記の通り開催されます。今回は昨年11月俳優座での公演ハイライト、寶山のジュリエットをコミカルなタッチでご覧下さい。また、おどり座メンバーの本文古典舞踊も!寶山は歌舞伎狂言「助六由縁江戸桜」から河東節“助六”を踊ります。相撲の街両国、江戸博東京博物館で江戸の街を散策?いろいろな催し物も開催しています。合わせてご覧下さい。帰りは暖かぁ〜イちゃんこ鍋でもどうぞ!
お切符は当日直接受付でお買い求め下さい。

2012年2月4日(土)
午後1時30分開演(午後1時開場)
江戸東京博物館1F大ホール
入場料/全自由席2000円
出演/立花 寶山・旭 七彦・泉 裕紀 ・花柳 衛菊
賛助出演 大沢フラメンコ アカデミー

主催 人情おどり座
NPO法人まちおこし東京交流倶楽部






  

梅左事務所・シアターX提携公演
唄浄瑠璃狂言
「藤 戸」
 昨年の大震災に依り公演が中止となりました「藤戸」の公演が決まりましたので、再度ご案内させていただきます。
 この作品は能「藤戸」と平家物語を土台に唄浄瑠璃狂言として新たに書き下ろしたもので、長唄の杵屋佐之忠の作曲による生演奏で芝居が進行するという作品です。日本の古典を新しい切り口で復活させる舞台にご期待下さい。
 立花寶山の40年ぶりの芝居への復帰、どうぞ皆様お誘い合わせの上、劇場にお運び下さい。
唄浄瑠璃狂言
「藤 戸」
作・演出 堀川登志子
芸術監督 立花寶山

東京/両国 シアターX(カイ)
平成24年3月9日(金)午後7時
           10日(土)午後2時 午後7時
      11日(日)午後2時
入場料 当日券¥5.500 前売券¥5.000
出演
立花寶山
益城宏・遠藤かがり・志村史人
立花齋人・立花志十郎

お問合せ 宗家立花流事務所 TEL 042-743-1824
チケット申込はお名前、ご住所、お電話、
日時と枚数をご記入の上、FAXでお申し込み下さい。
FAX 042-812-3971

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2011年11月01日

「誰でもわかる歌舞伎展」が開催されました!

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「誰でもわかる歌舞伎展」
 毎月カルチャースクールや「寶山和ぁ〜くショップ」などで通っている青森も晩秋の気配となっていた。こうした活動を通して、つがる五所川原を拠点に多くの方々と親交を深めてきた。その成果を共に作ってくれたDANZ〜音“の会の佳き友人たちと「誰でもわかる歌舞伎展」を10月27日から3日間、つがる市稲垣町「稲穂いこいの里物産館」で開催した。


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 ここは藁葺き屋根の古民家を移築した建物で土間と、いろりと板敷きの部屋、入ってすぐの一角は、津軽塗師〜野崎宏平さんの仕事場となっている。
そして、DANZが地域文化振興のため町から委託管理を受けているもので、以前、私も「寶山和ぁ〜くショップ」開催しているが、「藁工芸〜藁の会」やポップスデュオ「サエラのコンサート」、「誰でもわかる源氏物語」を始め地方文化振興のためユニークな企画制作でボランティア活動を続けている。
 10月25日火曜日青森入り、弘前NHK文化センターの講座を終えて、夕方会場に向かった。「寒ム〜ィ!」この日今冬?一番の冷え込みで、館内にストーブをいくつもつけてなんとか暖をとりつつ準備にかかった。DANZのメンバーで事前に“歌舞伎の成り立ち”“歌舞伎十八番”のこと、歌舞伎の錦絵や写真、公演プログラムや台本、芸術鑑賞教室「寶山和ぁ〜くショップ」の子供たちとの写真などがところ狭しと飾られていた。後は私の私物で、楽屋を模しての鏡台前の化粧道具や、かつらに衣裳、隈取りの押し隈掛け軸、などの飾り付け。展観のレイアウトも古民家の色合いを失わないで、いい具合に整い、幕開けを待つまでになった。帰る頃にはみぞれまじりの冷たい晩となった。
 27日初日オープニングも陽の落ちてからの6時開場、都会とは違っていくらかの街灯はあっても会場を思わず通り過ぎそうな明度、ここにお客様が来るのか心配な様子であった。
しかし、その心配も余所に私の「歌舞伎おもしろ話」が始まる頃には、にわか舞台を囲んで4、50人の人で満席、歌舞伎の成り立ちから楽屋話、「勧進帳」や「藤娘」の実演に客席が沸いて大盛況、野中の一軒家のここだけは別世界となっていた。

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 これも3年前のサエラとのジョイント公演が縁となって津軽の人々と進行を得たお蔭とありがたく思った。津軽の地元紙〜東奥日報、陸奥新報、また、青森テレビや弘前文化センターの講座開催の関係でNHKテレビでのおしらせがあり、毎月のRAB青森放送の出演が衆知に協力してくれたことも特記し感謝したい。


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 さて、翌28日は前日の評判を聞いてまたも多くの人が押し寄せ、二日続きで見えて下さった方も多数おられた。この日は、歌舞伎の話と共に隈取りの化粧実演、裾引きの芸者の衣裳着付実演なども開催、この日の勧進帳は富樫の出から台詞の読み上げ、義経一行の花道の遣り取りも聴かせて、あらすじの解説。その後、「おもしろや〜」から終わりまで踊り、花道引っ込みの飛び六方を見せた。

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 多くの人たちが、初めて歌舞伎に触れたと喜んでくれた。今回の歌舞伎だけでなく多種多様な演劇舞踊、オペラ、コンサートなどの公演は何年かに1度はあっても、開催都市部まで足を運ばなければ何十年もそうした芸術文化に触れることのない地域が日本中に沢山あることを深く感じた。最終日は東京での「和の学校」講座と稽古日を控えて朝一便で帰京することとなったが、沢山のお客様が見えたことを聞いて開催できてよかったと思った。津軽の温かい心の人たちに支えられての活動、これからも続けて行きたいと思っている。有り難うございました。(10月31日、立花寶山)



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2011年09月02日

五所川原ハイカラ町「五六」おばちゃんお疲れ様

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8月30日
 このところいろいろ立て込んで暑い夏との戦いで、少し疲れ気味。少々呼吸を整えて、芸術の秋に備えたい。どこか真っ青に透きとおった南の島にでも行きたい!ウーン、せめて眼を閉じて思い浮かべるのが関の山。
 今月も青森通い、8月23日初日は弘前NHK文化センター教室、先月始まった新講座「歌舞伎おもしろ塾、和の表現」今月も新しい生徒さんが入って賑やかに終えて、生徒も一緒に一路五所川原へ。
 この日の晩は五所川原でいつも食事をしているお店が50年あまりしてきたのだがビルの取り壊しで今月閉店。お店のおばちゃんにいつも世話になっていたので慰労と送別を兼ねて狭いながらも懐かしいお店でパフォーマンス。芸術鑑賞教室でいつも手伝ってくれる“音”の会”のメンバー、音響の佐々木さん、弘前の生徒さん、りんご農家のおのえんさん夫婦、当日のお客さん、それに隣りの東奥日報支局の記者工藤さん、店は満席。「ハイカラ町」といって昔から町の人たちに親しまれた飲屋街、区画整理やらで、その灯火が消えていくのを惜しんで私の企画に入れ込んでくれて取材もあった。踊っている途中でおばちゃんが見えなくなってしまった。長い付き合いでもないのに自分のためにこんなにしてくれてと感極まって涙を流していたのを店の蔭にいって拭っていたそうで、そこまで喜んでくれてやって良かったと嬉しい時間でした。踊り終わってからも時の経つのも忘れてみんなで酒を?酌み交わしワイワイガヤガヤ津軽の人たちみんなイイ人。津軽大好き! こういうの津軽では「モツケ」と言うんだそうです。2日後に出た新聞の三面記事にでかでかと! トップ記事扱い驚きました。

 さて、3日目は前日挨拶にいった太宰治のふるさと金木の喜良市小学校で芸術鑑賞教室「寶山和ぁ〜くショップ」。東北地方は夏休みが短くもう学校が始まっていました。これまで、つがる市稲垣西小学校を皮切りに、乳幼児園、小学校、高校と行脚の「寶山和ぁ〜くショップ」は今回で八校を数えることとなりました。その度ごとに伝統芸能の紹介で子供たちとの交流を持っていますが、今回も歌舞伎の化粧では「隈取り」の化粧の進行の中で大笑いをしたり驚いたり、「勧進帳」の一部分や女形の「藤娘」の踊りを真剣な眼差しで見ている姿に、今日もここに来て良かったと思いました。感想文が送られてくる日を心待ちにしています。この鑑賞教室を続けていく力を得る事になるのです。ありがとうございました!喜良市小学校の先生生徒の皆さん!

 その足で午後はRAB青森放送、ここで先程の新聞記事を見せられてびっくり!今日はその話から始まった。それと最近いった小田原の「外郎屋さん」のはなし。「外郎」は、中国が唐と言った頃、日本に来た帰化人の家で、唐の国の役職名を苗字にした話。歌舞伎十八番の「外郎売」は二代目市川団十郎が声が出なくなって困っていたところ「外郎」の「透沈香」という薬を飲んで治り、そこで早口言葉でも有名な「外郎売」の狂言が出来た話。お菓子の「ういろう」は、ここの家で接客に出していた自家製のお菓子だったものが明治になって売りに出され、全国に普及した話。お菓子の方が有名で、薬の方は忘れられているようですが、万能薬の気付薬、これからはお菓子と一緒にお買い求め下さい!「外郎売」に転職しようかな!?

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2011年07月24日

暑中お見舞い申し上げます

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7月16日(土) 舞踊協会新作公演「かぐや

 暑中お見舞い申し上げます。
 ただ今、表題の舞踊公演に出演中!昨日初日で明後日18日までの昼夜2回、合計8回の公演。
 私はかぐや姫に求婚する“紅の公達”の役です。オペラ「トゥーランドット」では、トゥーランドット姫から求婚者は3っのなぞをとかなければならないのですが、かぐやの3人の求婚者たちはそれぞれかぐやの望むものを持っていかねばならないのですが悉く失敗に終わります。どうも女性の性癖として世の男性を困らせて自分への愛を確かめようとするところがあるようです。マア男という動物は女性が喜ぶ顔が見たいのでせっせと働きに出るわけです。至極健気な動物なのでしょう。
 さて、ご覧いただいている写真は公演中の楽屋事務所でチケットを受付に預けるのに宛先の封筒書きをしているところ、制作スタッフに大受けとなってカシャッ!“眼鏡をかけた公達” 写メを撮られてしまいました。
本人は何の気なしでしていたのですが、思いもよらず大恥?をカクことになってしまいました。あと2回、舞台で恥をかかないように一所懸命汗をカイてがんばります。何卒ご支援の程宜しくお願い申し上げまする!!
                     
紅の公達役  立 花 寶 山


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2011年06月09日

町田邦舞連盟主催で狂言ワークショップがありました。

6月8日(水) 「狂言を知る」
 今日は、町田市邦舞連盟(会長立花寶山)主催の研修会「狂言を知る」が開催されました。
会場は狂言大蔵流の山本東次郎家所有の杉並能楽堂、講師は山本則俊先生でした。
 この杉並能楽堂は江戸城にあった能楽堂を模して明治四十三年(1910)十月、文京区本郷弓町に建てられました。その後、故あって昭和四年(1929)この杉並の和田へ移築をされたものだそうです。
 この能楽堂の特徴は、切戸口(舞台の向かって右手奥にある、地謡や後見の出入りする戸口)が非常に小さくなっていることで、これは将軍や身分の高い方々の前へ出て演ずるとき、能狂言の役者たちが頭を低く、深々と下げて出るためだそうです。それから、鏡板(舞台正面奥)の老松の絵も、江戸城で使われた下絵をもとに、正木白羊という方がそのまま写し描いたものと云うことです。緑青で描かれた松の葉の色は古色蒼然とした中に天気を受けた明るさを見せ、力感のある幹が左上に上がりそこから右上方へと大きく枝振りを見せる松葉目、扇にそのまま写したい思いにかられました。鏡板の老松は「影向(ようごう)の松」とも言い、神の降り立つ松ということだそうで、神に捧げる芸能の成り立ちにあらためて舞台へ上がる心得「謙虚と畏敬の念」を感じました。
 山本家における稽古は一日四、五時間にも及ぶ大変なスパルタ教育で、変声期を迎えた時でも、出ない声を出しきり血反吐を吐くまでする厳しいものであるそうです。しかし、そうした稽古を終えた後、舞台で遊び興じる子供たちを叱ると云うことはなかったそうで、舞台で遊んでいるうちにいつか、舞台の寸法、舞台の大きさ、舞台の癖、そうしたものが身に付いていくからだそうです。舞台は女人禁制の神域、母親に叱られると舞台に逃げ込んだことがあると笑いながら昔語りをして下さいました。
 能舞台は三間四方、舞台と橋懸かりで構成されています。舞台は、向かって左手前が目付柱、対角線の右奥が笛柱、右手前がワキ柱、対角線橋懸かりのある左奥がシテ柱となっており、舞台全体は客席の方にわずかに傾斜しているとのことです。舞台左方奥に位置する橋懸かりは舞台より鏡の間に向かってあります。能舞台というものは、無限に広がる空間を四つの太い柱で押さえ付けてあるわけです。一歩運ぶという動作が物理的な一歩ではなくて、遠いはるかな旅を象徴することでもあります。そういう成り立ちですから、舞台で運ぶ一歩一歩が非常に重要な意味を持っており、其のため、稽古の初歩は歩数を決めて前へ進み、また元の位置に下がる。次は右方へ、そして左方へと足の運びに終始し、決まった歩数で運ぶことで舞台平面の広さを体得していくのだそうです。 
 当日拝見していた一同も能舞台に上がらせていただき立ち座り、足の運びなど懇切丁寧に御指導を頂きました。普段使用している所作舞台とは違った舞台の板の重みを感じ、能狂言の世界を垣間みることが出来ました。
 その後は「靭猿」「福の神」「武悪」「佐渡狐」で使用する“面”を拝見。国立博物館でもお目にかかれない稀代の名品の数々を間近で拝見、その作品から出る至高の芸術の力と拮抗する演者の修行精進は言葉で尽くせぬ厳しさを伴うとともに、崇高なものに昇華されなければならないのだと感じ入りました。五百年を越えていまも舞台の一端を担う“面”が日本の伝統芸術の凄まじいまでの生き様を伝えていました。いいもの拝見すると言葉を失う!そんな心地よいひと時が過ぎました。
 ひと休みしての後半、山本則俊先生のセミナーはまだまだ続きます。
 休憩後、女役装束の着付、立花齋人がモデル。足袋は薄い卵色の糸目、普段歌舞伎の狂言舞踊で付ける茶色の糸目足袋は、歌舞伎の大舞台ではっきり見えるようにしたものと思われました。胴着は綿入りの広衿を内に折り返して合わせて着ました。小袖は襟元を先に打合せ腰紐をひと廻しして押さえておき、その後裾を上げて胸から腹のあたりに端折り上げます。ようするに普通の着物と順序が反対。下前は中折りして足捌きを良くし、上前は裾が大きく右にはね後ろから見ると長いタイトスカートのように着ています。帯は細帯を腰に近い腹部に二重巻き、中央に向かって左方に外した前のところでひと結び、ハコに折り返し手先を帯のしたに通して巻き付け上下を見せ横長の十文字様に前帯で結びました。そして最後にびだん鬘、いわゆる日本舞踊での「まかしょ」の願人坊主の晒布でのかぶり物、また狂言物の巫女の形、両側耳のように畳み込んで挟んだ長い布は帯に挟み込んで出来上がり。いい形に仕上がり女性を象徴的に見せていました。
 皆さんからの質問を受けて、最後は小舞を拝見、先生の鍛えた声と声量、それにきびきびとした清々しい動きに観客席は深い感銘を受けて散会しました。お手伝いいただいたご子息とお弟子さんにも心より感謝します。肩の張らない先生のお話を楽しみながらの今日の研修会「狂言を知る」本当に御指導有り難うございました。           町田市邦舞連盟 会長 立花寶山

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2011年05月05日

平成23年5月1日 五所川原商業高等学校「寶山和ぁ〜くショップ」

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東北の津軽も待ちに待った桜の咲く季節となった5月1日五所川原商業高等学校で、「寶山和ぁ〜くショップ」が開催された。当日はこの学校の創立記念日、これまで小学校、幼稚園は体験済みだが高校は始めてのこと、講堂を兼ねた体育館に300人を超える生徒を迎えてその記念の講演と云うことで、ちょっと緊張!
青森県は初代若乃花や舞の海など大勢の力士を輩出したところで相撲が盛ん、この学校からも横綱旭富士が出ている。
学校の校舎正面ガラス窓に幔幕ならぬ大きな文字で「立花寶山氏」と掲げられて何やら面映い思いであったが、いつもだと白河夜船の朝8時45分に入校、前日接待いただいた校長先生、教頭先生にお目にかかり御挨拶をして、早々に準備に取り掛かった。
いつもの「勧進帳」の見得を切るところで“バッタリ”とツケを打つのは女子生徒、彼女と手合わせを終えて、舞台の準備もOK!
着物に着替えてスタンバイ。
学校側からの紹介をいただいて生徒全員の拍手の中舞台へ!
先ずはいつもの通り正座でお辞儀、歌舞伎の歴史に触れて、サテ!歌舞伎の隈取り化粧コーナー、男子生徒3人が舞台に上がったと思いきや一人は生徒かと見紛う童顔の新任先生でした。
「車引」の松王丸、梅王丸、桜丸の化粧開始!
広い体育館300人の生徒に見えるようにスクリーンを出してビデオカメラで映し出し見せたので、小学生の子供たちと変わらずお白粉を塗ってのっぺらぼうの顔に大爆笑、出来上がって三人で見得をきるポーズを付けて、最後に押し隈製作で「うわぁ〜ッ」との大歓声と拍手。三人ともそれぞれの顔を見て眼を白黒、そのまま客席の人となった。
さて、そこから「勧進帳」の解説をして、弁慶、富樫の二役を踊り演じ、花道の六方。くだんの女子生徒に目配せをしながらツケをいれてもらうが、短い稽古ではなかなか合わない。ここで拍子柝の入れ方とツケの入れ方を再び稽古、女子生徒は汗が噴き出す程頑張ってくれて無事終了。圧巻の舞台?に拍手のあらし!
拍手をはずみに女形の藤娘、会場全体が突然の女形出現に不思議なものを見るような雰囲気で、シィーン……ポカァーン。
終わって、突然元の男に戻って話し始めると笑いが出て満場和やかな拍手のうち終了した。それにしても高校生、大人に近い分、身体で見るというより頭で見ている感じ!頭の中グルグルいろんなものが廻っていたみたいでした。感想文が楽しみです。みんな有り難う!!
毎月行っている五所川原、校長先生もこうしたものに触れる機会を日常的に作りたいと喜んで下さいました。皆さんまた逢いましょう!!

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2010年11月28日

「人情おどり座」第六回本公演『THE FAMILY 襲名』のお知らせ

毎年十二月に行われております「人情おどり座」の本公演が決まりました!!
今回は劇場の都合上、年が明けました成人の日に公演があります!!!!
今回の公演で六回目ということで、さらに役者の個性が際立つ魅力満載の公演となっております!!

詳細は↓
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